【アマチュア無線とは】
アマチュア無線とは、金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人の興味によって行われる無線通信と法令で定められております。
金銭上の利益のためでなく、ということは会社などの営利活動を行う組織の連絡用(業務的な使用)は禁止されております。
一般的な業務用の無線局は特定の周波数を割り当てられており、通信の相手方も限定されています。一方、アマチュア無線では、多様な電波の伝わり方のする様々な周波数帯で免許を受けることができ(実際には資格の範囲内、かつ無線設備が送信できる周波数に限られますが)、近距離のアマチュア無線家だけでなく、条件が良ければ外国のアマチュア無線家とも交信することができます。
ただし、限りある資源である電波を使うため、原則として免許が必要です。その免許とは、無線設備を操作するために必要な「無線従事者資格」と無線設備に与えられる「無線局免許」の2つです。これらは今では簡単に取得することができるようになりました。詳しくは「免許の取得方法について」のページをご覧ください。
また、アマチュア無線は個人の興味によって行われるもの、とお伝えしましたが、様々な楽しみ方があり、また電波の届く範囲であれば携帯電話が圏外のエリアでも通信できるため、災害時の備えとしてアマチュア無線を運用されている方もいます。次にアマチュア無線の楽しみ方をいくつかご紹介します。
【アマチュア無線機や関連機器の製作】
現在ではアマチュア無線機は自作するよりも各メーカーが製造したものを購入するほうが性能も良いものが多いですが、昔はメーカー製の無線機は非常に高価で、部品を集めて無線機を自作している方も多かったです。現在ではアンテナやモールス通信で使用する電鍵(モールス符号を送信するための道具)、パソコンと無線機をつなぐインターフェースと呼ばれる機械など、自分が無線を運用することが便利になるようにオンリーワンの道具を自作する方もいます。
【移動運用】
無線というと自宅で運用することもできますが、自宅以外に出かけてアマチュア無線を運用することを「移動運用」といいます。山などの見通しが良いところであれば手に持つハンディータイプの無線機でも遠距離と交信できるかもしれません。
【アワード】
アマチュア無線には、一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)やクラブ等が発行するアワードというものが数多くあり、一定の条件での交信が達成できた者にその功績をたたえるために与えられます。条件はアワードによって異なりますが、例えば、430MHz帯という周波数で異なる局100局と交信して交信証を入手できれば、430MHz-100というアワードがもらえます(JARLに申請が必要です)。JARLの発行するアワードについては、こちらをご参照ください(外部サイト)。
【コンテスト】
コンテストは、アマチュア無線を使った競技の一つとも言えます。決められた時間内に多くのアマチュア無線局と交信し、得点を競うものです(競技というと審判がいて…というイメージがあるかもしれませんが、アマチュア無線のコンテストは記録もすべて自分が行います)。全国的なコンテストや世界的なコンテストもあるので、大きなコンテストで入賞できれば楽しいですしモチベーションも上がります。JARL主催のコンテストについては、こちらをご参照ください(外部サイト)。
【ARDF競技】
ARDF(Amateur Radio Diretion Finding)は、アマチュア無線をつかった競技でオリエンテーションに近い競技です。地図とコンパスを頼りに指定された地点を回りゴールへ行くのですが、地図にはオリエンテーションのように経由しなければならない地点は記されておらず、アマチュア無線の電波を送信する送信機を自分の手に持つ受信機と指向性アンテナ(特定の方角からの電波を受信しやすいアンテナ)を頼りに自分で見つけるというものです。3.5MHzと144MHzという2つの周波数帯で行われますが、一般的には144MHz帯での競技が多いように思います。
ARDFは県大会、地方大会、全国大会(県や地方大会は実施しないところもあります)、世界大会も開かれるスポーツ競技ですので、興味のある方はお近くの大会に参加してみてください。